高校球児たちの聖地、阪神甲子園球場でおなじみの兵庫県西宮市には、高校ゆかりの聖地がまだある。私も市民としてちょっと自慢の場所を紹介したい。
通称「ハルヒ坂」。住宅街から山へと続く急な坂道の先、県立西宮北高校前をそう呼ぶ。坂から市街地をはるかに望む眺めは、超のつく迫力だ。
【撮影ワンポイント】ハルヒ坂
長く急な坂を撮影するには、縦位置写真が画面をまとめやすいが、桜の開花を待ち、校門など学校の雰囲気を残しつつ坂に目が行くように横位置写真で構図を考えた。電信柱を目立たせないように撮影することが多い。しかし今回は田口さんの感想もあり、電信柱も美しい風景の一部になるように画角を決めた。(新井義顕撮影)
人気のSF学園ノベル「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」シリーズを書いたのが、同校出身の谷川流(ながる)さん。ハルヒたちが通う高校のモデルとして、アニメの中でその風景が再現され、アニメの聖地となった。
作中、語り手の男子キョンは入学早々「毎日こんな山登りを朝っぱらからせにゃならんのか」と嘆く。でも、「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぼう」という強引なハルヒに引っ張られ、不思議に彩られた高校生活を送っていく。
「トレーニングの坂道でしたね」。そう振り返るのは卒業生のプロ野球オリックス・バファローズの田口壮コーチ(53)。米大リーグでも活躍した名選手だ。
入学して野球部に入ると、監…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル